出発進行! ― 2011/02/26 17:42
最近、サラウンド導入したいんだけど、という相談をよく受けます。
実を言えば、私も長い長い道楽の歴史の中で、ずっと「ピュア・オーディオ派」でやってきました。昔の4チャンネルが方式乱立で結局共倒れしたことの記憶もあれば、映画館ならともかく家庭に何台ものスピーカーを、なんてのは結局スピーカーをたくさん売りたいメーカーの陰謀じゃないか、などと思っていたものです。
映画館の場合、普通のLチャンネルとRチャンネルの2スピーカーでは場内に均一の音声を供給できない(右側の席と左側の席で音が違ってしまう)ため、古くからセンター・スピーカーを足し、さらに大型の劇場では、シーリング・スピーカーやサイド・スピーカーで前方のスピーカーの負荷を下げるといった工夫がされてきたのはよくわかります。しかし、この狭い日本の家屋でどこまでそんなこと必要なのか、よくわかりませんでした。
もう一つ、サラウンドに二の足踏んでいたのは、電気店店頭での大音響合戦です。まぁ、そりゃ「ドカン・ガリン・バコン」と耳をふさぎたくなるような大音響には、「これでどうやって家庭で楽しめ、っていうんだ?」と正直疑問に思ってました。
ただ、ここにリンク張ってるPARC Audioの社長さんが、「2チャンネルでセンターが出てもそれは仮想のセンターですから、アンプに2系統出力があったら、A+Bにして、B系統にモノラルスピーカーをつないでセンターに置いてご覧なさい、それだけでぐんと変わりますよ」とおっしゃったのが転機でした。
さっそく、やってみました。別に高級アンプってわけじゃありません。中古品の出物を探してきてやってみたのです。結果は……驚きました。映画の台詞、ボーカリストの声、くっきりと正面を中心に部屋に満ちあふれる感覚には驚かされました。
そうなると「やってみようか」根性がむくむくと湧き上がるのが私の悪い癖(笑)。とはいっても、すでにお気に入りの真空管アンプもあることだし、最初の1台にいきなり大枚はたく勇気はありません。
ところが、そんなある日、なんの気なしに行きつけのショップに行ってみたら、ありましたありました。SONYのフルデジタルAVセンター、TA-DA7000ES。HDMIこそ弱体ですが、音質には定評があります。じゃあ、これで、ということで始めてみました。
最初は、PARC Audioの10cmフルレンジと、若かりし頃買ったSS-3GXで、6スピーカー仕様です。したがって、Dolby Neoってことになりますかね。スーパー・ウーファーは最初から度外視でした。どうもあの低音は、聞かされる度に気分が悪くなるもんで。
これでいろいろやってみました。そうするうちに、サラウンドというものへの認識が変わってきました。
しばしば、売り文句として「映画館の迫力をご家庭で!」と言われます。しかし、これはスピーカーの特性もあるのでしょうが、音量を絞っても音が崩れません。それもあって、夜寝付けないときにお気に入りの音楽をごく小さな音でかけて横になっていると、部屋の空気を静かに揺する、という感じに気がつきました。何度やっても同じ。音量を変えても、そういうセッティングの時に一番調子がよい。
なるほど、サラウンド・アンプは、2チャンネルの「ピュア・オーディオ」アンプに比べて、6チャンネルとか9チャンネルとか多くのアンプを搭載しているから、1つあたりのアンプは性能が落ちる、という話、納得できない訳ではありません。しかし、一つのスピーカーへの負荷は確かに小さくなり、無理をさせずに駆動できる、という利点もあるはずです。
そして、昨年、いよいよPARC Audioが誇る同軸17cmスピーカーをL,R,センターに導入しました……結果はもう言うまでもありません。
これまでの美点、部屋の空気を静かに揺すって「音」というよりも「雰囲気」を変えてしまう美点はそのままに、これまでパワーを入れると、やや破綻気味になりそうなところが見事にカバーされました。たとえば、レッド・クリフでは、策略をめぐらす細かな台詞のやりとりと、中国人民解放軍15万人をエキストラとして繰り出した、という有名な「火計の策」の場面のダイナミックさまで、なんでもこい、って感じです。しかし、それは力づくで音を押し出すのではなく、部屋の空気全体を上手に揺さぶって出している、という感じに変わりありません。
サラウンドはどうあるべきか、おそらく議論百出でしょう。ただ、私は、部屋の空気全体を上手に揺すって、心地よい雰囲気を作り出すことであって、こけおどしの大音響を出すためのものではない、と思います。
実を言えば、私も長い長い道楽の歴史の中で、ずっと「ピュア・オーディオ派」でやってきました。昔の4チャンネルが方式乱立で結局共倒れしたことの記憶もあれば、映画館ならともかく家庭に何台ものスピーカーを、なんてのは結局スピーカーをたくさん売りたいメーカーの陰謀じゃないか、などと思っていたものです。
映画館の場合、普通のLチャンネルとRチャンネルの2スピーカーでは場内に均一の音声を供給できない(右側の席と左側の席で音が違ってしまう)ため、古くからセンター・スピーカーを足し、さらに大型の劇場では、シーリング・スピーカーやサイド・スピーカーで前方のスピーカーの負荷を下げるといった工夫がされてきたのはよくわかります。しかし、この狭い日本の家屋でどこまでそんなこと必要なのか、よくわかりませんでした。
もう一つ、サラウンドに二の足踏んでいたのは、電気店店頭での大音響合戦です。まぁ、そりゃ「ドカン・ガリン・バコン」と耳をふさぎたくなるような大音響には、「これでどうやって家庭で楽しめ、っていうんだ?」と正直疑問に思ってました。
ただ、ここにリンク張ってるPARC Audioの社長さんが、「2チャンネルでセンターが出てもそれは仮想のセンターですから、アンプに2系統出力があったら、A+Bにして、B系統にモノラルスピーカーをつないでセンターに置いてご覧なさい、それだけでぐんと変わりますよ」とおっしゃったのが転機でした。
さっそく、やってみました。別に高級アンプってわけじゃありません。中古品の出物を探してきてやってみたのです。結果は……驚きました。映画の台詞、ボーカリストの声、くっきりと正面を中心に部屋に満ちあふれる感覚には驚かされました。
そうなると「やってみようか」根性がむくむくと湧き上がるのが私の悪い癖(笑)。とはいっても、すでにお気に入りの真空管アンプもあることだし、最初の1台にいきなり大枚はたく勇気はありません。
ところが、そんなある日、なんの気なしに行きつけのショップに行ってみたら、ありましたありました。SONYのフルデジタルAVセンター、TA-DA7000ES。HDMIこそ弱体ですが、音質には定評があります。じゃあ、これで、ということで始めてみました。
最初は、PARC Audioの10cmフルレンジと、若かりし頃買ったSS-3GXで、6スピーカー仕様です。したがって、Dolby Neoってことになりますかね。スーパー・ウーファーは最初から度外視でした。どうもあの低音は、聞かされる度に気分が悪くなるもんで。
これでいろいろやってみました。そうするうちに、サラウンドというものへの認識が変わってきました。
しばしば、売り文句として「映画館の迫力をご家庭で!」と言われます。しかし、これはスピーカーの特性もあるのでしょうが、音量を絞っても音が崩れません。それもあって、夜寝付けないときにお気に入りの音楽をごく小さな音でかけて横になっていると、部屋の空気を静かに揺する、という感じに気がつきました。何度やっても同じ。音量を変えても、そういうセッティングの時に一番調子がよい。
なるほど、サラウンド・アンプは、2チャンネルの「ピュア・オーディオ」アンプに比べて、6チャンネルとか9チャンネルとか多くのアンプを搭載しているから、1つあたりのアンプは性能が落ちる、という話、納得できない訳ではありません。しかし、一つのスピーカーへの負荷は確かに小さくなり、無理をさせずに駆動できる、という利点もあるはずです。
そして、昨年、いよいよPARC Audioが誇る同軸17cmスピーカーをL,R,センターに導入しました……結果はもう言うまでもありません。
これまでの美点、部屋の空気を静かに揺すって「音」というよりも「雰囲気」を変えてしまう美点はそのままに、これまでパワーを入れると、やや破綻気味になりそうなところが見事にカバーされました。たとえば、レッド・クリフでは、策略をめぐらす細かな台詞のやりとりと、中国人民解放軍15万人をエキストラとして繰り出した、という有名な「火計の策」の場面のダイナミックさまで、なんでもこい、って感じです。しかし、それは力づくで音を押し出すのではなく、部屋の空気全体を上手に揺さぶって出している、という感じに変わりありません。
サラウンドはどうあるべきか、おそらく議論百出でしょう。ただ、私は、部屋の空気全体を上手に揺すって、心地よい雰囲気を作り出すことであって、こけおどしの大音響を出すためのものではない、と思います。