まことに申し訳ありません。人身事故のため遅れが出ています。2011/03/06 14:57

 更新が遅れてたのは、ちょっと調べ物していたためです。それは、このところ、うつ病による自殺が労働災害として認められたとか、使用者に対して損害賠償が認められたり、責任者が懲戒を受けたりとか、そういった事案が出てきているもので、「ふ~ん、うつ病も労働災害と認められるようになったのか」とばかり思っていました。

 だいたい、他人の精神状態について知るのは、身近な人以外、ニュースで知ることばかりですからね。

 ところが驚いた。うつ病を労働災害と認める基準については、すでに1999年には厚生労働省から通達が出ていたんですね。別に奇異なところもなく、まずまず誰が考えても妥当と思われる基準です。

 問題はその後。「自殺については原則として自損事案であるので労働災害とならないが……」と続くのです。つまり、うつ病で苦しみ抜いたあげく、職場や家族や友人のことも考え抜いて、ついに覚悟の自殺を遂げた人――いますよね。自分のことよりも他人を大事にしよう、って「いい人」――は労働災害として認めないのが原則、ただ、労働災害にあたる精神疾患(ほぼ「うつ病」と考えて良い)が先行する場合には例外的に認めてやっても良い、というわけです。

 たしかに、自殺は自分の行為でしょうが、そこに自発的な意志があった、というんでしょうか? 苦しみ抜いたあげく自殺に追い込まれた、そういうのが普通じゃないんでしょうかね?

 なるほどニュースになるわけがわかりました。だいたい2008年前後を境として、裁判例で当局の「労働災害不相当」という判断が覆される事例が増加し始め、その上、最近になって、ハラスメント(カタカナ言葉使わず「いやがらせ」とはっきり言え!)をやったりする上司や同僚、そんな環境を放置したりした会社や役所に対して懲戒や損害賠償が認められるようになった、だからニュースになっていたわけです。

 しかし、ひどい話だと思いませんか? 職場で追い詰められて病気にはなっても生き抜いたヤツは助けてやる、だが、自死したヤツは自分のしでかしたことだから知らない――話が逆じゃないんですかね? そこまで追い詰められたのなら、せめて周囲の苦痛と生活を補償するためにもっと手厚く、これがスジじゃないでしょうか。

 邪推すれば、病気しても生き抜ける「強者」は救ってやる、だが、自死するような「弱虫」は勝手に死ね、そう言っているようにも聞こえます。

 相も変わらず自殺者の数は減少の兆しもなし、少子化傾向も一向に収まらず……だいたい、この國が「自殺防止」とか「少子化対策」とか言い出すと、違和感を感じて仕方がなかったのですが、その一つの理由がなんとなくわかったような気がします。

 考えれば恐ろしい國です。