当列車は安全に万全を期していますが、シートベルトは正しく着用してください。 ― 2011/02/24 15:48
ニュージーランドでの地震、まだ行方不明者が多く、家族の方は胸のつぶれる思いでしょう。自分のキャリアを作るため、あるいは楽しみのために語学を学びに行った先で思いもよらぬ大地震。ご本人・ご家族ともども心中いかがなものかと察するにやりきれません。
ただ、最初にニュースを見たときから妙な感じがしてならなかったのも事実です。ニュージーランドといえば、プレート境界面の衝突する海溝沿いの列島であり、日本と同じく地震国のはず。当然、地震学の研究のみならず耐震設計の分野でも進んでいるはずです。しかし、つぶれたビルを見ると、いわゆる「パンケーキ状の崩壊(上からぐしゃりとたたきつぶしたようなつぶれ方)」で、途上国で十分な耐震構造を取っていないビルディングなどではよく見られるつぶれ方ですが、まさか(地震)先進国のニュージーランドで、というのが異様でした。
その後、崩壊する前の写真を見て、さらに残ったエレベータ部分を見るにつけて、変だ、という気はますます募ってきました。そもそもがれきの山の中に鉄筋らしいものが見あたらない。エレベータとの接合部にあたるところにも構造材らしいものがないし、壁も床も異様に薄い。「なんだこりゃ」……そんなあたりに気がついてきました。
すると、昨日の朝日新聞にほんの2行ほど、「1970年代までは耐震設計理論で世界をリードしていたが……」という記事が出て、はっと思い当たることが次々に浮かんできました。
かの小泉政権時代、市場主義の導入と徹底した民営化でニュージーランドは随分もてはやされたものです。しかし、それらがこの国では人と人との連帯感を「ぶちこわし」(「ぶちこわせ」って叫んだ小泉は、何を「ぶちこわし」たのか?)、同じくもてはやされたアイスランドはリーマン・ショックで国家が破産。まさか……と思ったのです。
そういえば、以前、ある研究機関の人に聞いたことがありました。ニュージーランドの大学や研究所は、市場原理の導入を政府から強硬に迫られ、すぐに成果や利益が出るわけではない基礎分野は壊滅的打撃を受け、疲弊しきっている、ひどいところでは英語国だけに逃げ出し先にことかかないため、3人に2人の研究者が逃げ出して事実上開店休業状態になったところもある、という話で、その話を聞かせてくれたのが、地質学関係の人(もちろん地震学と密接な関係があります)だったことです。
もう一つ、思い出したのは規制緩和と民営化で、日本では建築確認が民間でもできるようになりましたが、その実態は「お手盛り」ともいわれるほか、例の「姉歯」問題で明るみに出た構造計算書の偽装問題があったことはご存じの通り。しかし、あの問題、政治的・社会的・構造的な問題は深められることなく、姉歯一人を「ヒール(悪役)」にする形で大急ぎで幕引きが図られた、という印象をもつのは、私だけでしょうか。
まさか、とは思うのですが、ニュージーランドでの、あのビルの崩壊、住宅の破壊(ここも壁も床も薄いのが目立ちましたね)、そういった問題が裏にあった、なんてことはないでしょうか。すると、ご家族の方の哀しみや焦燥もさることながら、そちらの問題もきちんと追及してないと、またまた「日本では対策がしっかりしてるから大丈夫」といいつつ、新幹線の橋桁が積み木を崩したようにばらばらと崩れ落ち、はるかに大勢の悲惨な犠牲者が出てから「国富の損失だ」ともっともらしいことを言う評論家(その前に、ちゃんと対策しとけば失われずに済んだ命が失われたことが先だろっ!)センセイ方のお説教を聞かされることになりはしないか。
杞憂で済むことを願ってやみません。
ただ、最初にニュースを見たときから妙な感じがしてならなかったのも事実です。ニュージーランドといえば、プレート境界面の衝突する海溝沿いの列島であり、日本と同じく地震国のはず。当然、地震学の研究のみならず耐震設計の分野でも進んでいるはずです。しかし、つぶれたビルを見ると、いわゆる「パンケーキ状の崩壊(上からぐしゃりとたたきつぶしたようなつぶれ方)」で、途上国で十分な耐震構造を取っていないビルディングなどではよく見られるつぶれ方ですが、まさか(地震)先進国のニュージーランドで、というのが異様でした。
その後、崩壊する前の写真を見て、さらに残ったエレベータ部分を見るにつけて、変だ、という気はますます募ってきました。そもそもがれきの山の中に鉄筋らしいものが見あたらない。エレベータとの接合部にあたるところにも構造材らしいものがないし、壁も床も異様に薄い。「なんだこりゃ」……そんなあたりに気がついてきました。
すると、昨日の朝日新聞にほんの2行ほど、「1970年代までは耐震設計理論で世界をリードしていたが……」という記事が出て、はっと思い当たることが次々に浮かんできました。
かの小泉政権時代、市場主義の導入と徹底した民営化でニュージーランドは随分もてはやされたものです。しかし、それらがこの国では人と人との連帯感を「ぶちこわし」(「ぶちこわせ」って叫んだ小泉は、何を「ぶちこわし」たのか?)、同じくもてはやされたアイスランドはリーマン・ショックで国家が破産。まさか……と思ったのです。
そういえば、以前、ある研究機関の人に聞いたことがありました。ニュージーランドの大学や研究所は、市場原理の導入を政府から強硬に迫られ、すぐに成果や利益が出るわけではない基礎分野は壊滅的打撃を受け、疲弊しきっている、ひどいところでは英語国だけに逃げ出し先にことかかないため、3人に2人の研究者が逃げ出して事実上開店休業状態になったところもある、という話で、その話を聞かせてくれたのが、地質学関係の人(もちろん地震学と密接な関係があります)だったことです。
もう一つ、思い出したのは規制緩和と民営化で、日本では建築確認が民間でもできるようになりましたが、その実態は「お手盛り」ともいわれるほか、例の「姉歯」問題で明るみに出た構造計算書の偽装問題があったことはご存じの通り。しかし、あの問題、政治的・社会的・構造的な問題は深められることなく、姉歯一人を「ヒール(悪役)」にする形で大急ぎで幕引きが図られた、という印象をもつのは、私だけでしょうか。
まさか、とは思うのですが、ニュージーランドでの、あのビルの崩壊、住宅の破壊(ここも壁も床も薄いのが目立ちましたね)、そういった問題が裏にあった、なんてことはないでしょうか。すると、ご家族の方の哀しみや焦燥もさることながら、そちらの問題もきちんと追及してないと、またまた「日本では対策がしっかりしてるから大丈夫」といいつつ、新幹線の橋桁が積み木を崩したようにばらばらと崩れ落ち、はるかに大勢の悲惨な犠牲者が出てから「国富の損失だ」ともっともらしいことを言う評論家(その前に、ちゃんと対策しとけば失われずに済んだ命が失われたことが先だろっ!)センセイ方のお説教を聞かされることになりはしないか。
杞憂で済むことを願ってやみません。